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#006 クリエイター 兼 看護師 どさんこつくしさん

こんにちは!看護師カメラマンのyumiです。
長かった梅雨が明けて、暑い日が続いていますが皆さんお変わりありませんか。
夏といえば、スイカ・枝豆・かき氷、なす、、、美味しいものが沢山ありますね!今年も沢山食べたいと思います(^^)

さて、医路とりどり第6回はつくしさんにお話を伺いました。
つくしさんは、看護、イラスト、アウトドア、メンズメイクなどなど幅広い分野で活躍し発信されている方です!
インタビューでは幅広い視野を持つつくしさんならではの優しい言葉が印象的でした。

もくじ

1.プロフィール

2.看護師を目指した理由

3.新卒で休職・退職した背景や思い

4.退職してからホテルコンシェルジュになってみて

5.最近のお仕事

6.パートナーとのこと

7.看護学生へのメッセージ

 

 1,プロフィール

看護学校卒業

附属病院に就職・呼吸器内科に入職

入職3ヶ月で適応障害の診断

休職

職場復帰しOPE室に配属 4ヶ月勤務

休職

翌年2月病院を退職

リゾートホテルのコンシェルジュ 同時期にイラストレーターのお仕事も開始
in 北海道 5ヶ月
in 箱根の旅館 4ヶ月
並行してデイサービスで非常勤看護師に復職

コンシェルジュを任期満了で退職
デイサービスで看護師一本に

アウトドア施設のスタッフ
ウーバーイーツ配達員

医療系ベンチャー勤務

コンシェルジュ時代の職場、北海道洞爺湖町(写真は全てつくしさん提供)

2.看護師を目指した理由

看護師を目指すきっかけになる出来事は2つあります。

1つは、年の離れたきょうだいが生まれた時のことです。自分が中学2年生の時に胎盤早期剥離による緊急の帝王切開で生まれました。先に退院した母は父とともに元気なく毎日ミルクを妹へ届けていたんです。そんな時、両親と看護師さん(当時は看護師さんだと思ったけど、今思うと助産師さんですね)が話をしているのを見かけました。暗い表情で向かって行った2人が明るい顔して戻ってきたのを見て、看護師さんすごいなと思ったんです。落ち込んでいる人をこんなに元気にできるんだ、と

2つ目は高校時代、仲の良い人が自衛隊に行くと決めたことですね。東日本大震災も経験したこともあり、何かあった時に力になれる人になりたいと思いました

新卒で呼吸器内科を希望したのは、看護学生最終学年の総合実習で、呼吸器内科に行ったことが影響しています。

 

生まれた当時の妹

看護学生時代の写真 隣は看護の祖、ナイチンゲール

 

3.新卒で休職・退職した背景や思い

入職当時の自分

労働環境についていけなかった、というのが大きいですね。古い慣習に疲弊してしまいました。

最初の頃、自分のプリセプターさんに「僕ちょっと変だからおかしかったら言ってね」と急に言われました。そのプリセプターさんが1年生だった時に、“新人壊し(うろ覚え)”と呼ばれる先輩がプリセプターとしてついていたそうです。そのことがそのプリセプターさんの“おかしい”に繋がっていたんだと思います。

印象的だった出来事はいくつかあります。例えば、朝ミキシングやルート準備をして、患者さんの部屋を回り始めた時、忘れ物をしたことに気がつきました。ただ「戻る時間がもったいないし、また怒られてしまう。一通り終わってから取りに行こう」と思っていたんです。ところが、そのプリセプターさんは鬼の形相で僕が居る病室に飛び込んできて、「忘れ物してんだけど!!!」と僕が持ち忘れたトレイをガーン!!!とワゴンに叩きつけて行きました。患者さんから慰められるくらいの出来事で、、、。話しかけるのも怖くなり、それからは出来るだけ話しかけやすい先輩に業務の質問などをするようにしていたら、ある日急に肩を掴まれて「君のプリセプターは僕だよね?」と言われました。余計に怖くなりましたね。

あとは、決められた時間での体位交換や、意識があるかないかの人に無理やり行う経管栄養など、自分がやる意味あるのかなと疑問に思うこともあり、やってることと心で思っていることのすれ違いが起きていたことや、4月から夜勤があって生活リズムが作れなかったということも背景にあると思います。

仕事が終わって帰宅し次の朝が近づくほど気持ち悪くなったり頭が痛くなったりするようになり、家でも病棟でも吐いてしまうような日が続きました。ある日、病院の駐車場についたところで涙が止まらなくなり、車から出られなくなりました。それで心療内科に。病院に行くのもめちゃめちゃ緊張しました。すっごい下調べして行きましたね。適応障害の診断がおり、1ヶ月お休みしました。

 

職場復帰後はOPE室に配属されました。夜勤が(殆ど)ないことや、頼りにしていた友人がいたことがOPE室を希望した理由です。そこではプリセプター2人がつきました。1人がOPE室での経験が20年を超えるベテランさん、もう一人は元ヤンっぽい方でした。

ベテランお局さんの陰口を延々聞かされる一方で、もう一人のプリセプターのストレートな物言いに「うっ」となりました。手術室はチェックリストが多いのですが、それを3,4回とチェックしてもどうしてもミスがあってしょっちゅう怒られました。怒られる、体調を崩す、怒られるの負のスパイラルになり、、、

退職を決める大きな出来事は、同期が退職する時のことでした。
同期が3人いて、そのうちの1人がOPE室内で先輩方から空気のような扱いをされていたんです。頭は良いけれど、インシデントを起こしがちな人で。上の先輩からはいないも同然に扱われていました。その同期が仕事を休むようになり、ある日リーダーからその子が退職することになったという話がありました。その話を聞いたお局さんは、ガッツポーズをして「よっしゃー!!」と叫んだんです。同期が退職した時にそんな風にされるんだ、自分もいつこういう扱いをされるか分からないや、と思い怖くなりました。

 

前に休職した時のように限界を超えてしまうのがとても怖くて、その一歩手前で心療内科に相談に行きました。そこの先生は、「隣の芝生は青く見えるものだよ、休んで復職してをまた繰り返すぞ」と言いました。ただ、私が辞めるという決断をしてからは、よく相談に乗ってくれました。最初お叱りを受けた時は、精神的に辛い時になんでそんな言葉を、、、とも思いましたが(笑)むやみやたらに叱ったのではなく、その先生なりの援助の仕方だったんだなぁと。

結局退職をしたのですが、今振り返ると自分に目標がなかったからかも、看護師国試に合格して燃え尽き症候群になったからかも、とも思いますね。

よほど嫌な場所だったのか、びっくりするほど病院での写真がありませんでした これはストレス発散も兼ねて友人と行っていた雪中キャンプ

4.退職してからホテルコンシェルジュになってみて。

生きたいのか生きたくないのか分からない人の看護をすることに疑問もあったので、マイナスを0にするより0をプラスにする仕事をしたいという気持ちがありました。人と話すのが好きなので接客業がしたいというのも。

病院を辞めて実家を出る日の朝、在職中に書いた研修レポートや退職関係の書類を全て投入した焚き火

病院を辞めた際、地元で撮っていただいた写真 開放感に満ち溢れたお気に入りの一枚(写真:@llke_bird27)

ホテルコンシェルジュの仕事はめちゃめちゃ楽しかったです。自分の生きるところはここだ!とも思いましたホテルにくる人は思い出を作りに来ます。プロポーズなどの大きなライフイベントのことも多々ありますね。どうしたら喜んでもらえるか、事前相談の時間も楽しかったです。

箱根コンシェルジュ時代の写真

患者さんに対するホスピタリティや医療の知識は、他の業界でも大切なものでした
例えば、高齢の方がご家族で旅行にいらした時、導線になるところにものを置かない、通りやすいほうに案内するなどの気配りはここでも活きました。 他にも車椅子の扱いに慣れていたことや、湯あたり・やけどへの対応などでも重宝されました。

コンシェルジュ時代の職場、北海道洞爺湖町

5.最近のお仕事

最近はどんなお仕事をされているんですか?

①ウーバーイーツの配達員
最近ウーバーイーツを始めました。今までのお仕事と大きく違うのは、対面での接客が少ないことです。受け渡しの一瞬でいかに印象つけられるかを考えながら工夫しています。看護師・コンシェルジュの経験を生かしたり、笑顔・手を添えて渡すなどの所作を丁寧にしたり。そういうことを積み重ねるとお店やお客様から評価されるようになりました。最近は対面で渡さず、玄関前に商品を置いていくこともあります。メッセージをつけられるので、僕の場合は美味しいもの食べてご自愛ください、と添えていました。どうやったら良いサービスを提供できるか考えます。僕はサービス業が好きみたいです!

UberEATSのバッグ

②イラストレーター
幼稚園の頃からお絵かきが好きでした。中学生の時にバグマンという漫画を描く漫画を読み、友達と本気で漫画家になろうぜと話していました。インクやトーンを買い揃える時期もありましたが当時はそこで終わってしまいました。

お仕事になったきっかけは、twitterで絵をアップしたことです。当時それをみた縁JOYナース部代表のあやかさんが「そんなにかけるなら仕事になるよ!」と声をかけてくれたんです。アイコン用のイラストを描いてみない?というのが最初でした。

コラムの挿絵とか医療系の依頼が多かったですね。あとは、医療者ユーチューバーのイベントでロゴ作成をしたり、Tシャツデザインをしたり。今後は本などもっと色んな媒体で描いてみたいです。出版などに関わるお仕事をして、自分が手にできるものを創りたいと思っています。

まだ趣味だった当時、指で描いてtwitterに上げていた作品

アイコン代わりにしていたイラストのグッズ

今後、やってみたいことはありますか?
この夏から医療系のベンチャー企業で働くことが決まったので、多くの人が自分で健康のための知識を得られるよう尽力していきたいです。

6.パートナーとのこと

最近、性教育YouTuberであるシオリーヌさんとご結婚されたつくしさん!おめでとうございます!!
取材ではお二人についてのお話も伺って終始ほっこりしました。お二人の馴れ初めはこちらから(YouTube

元々話し合いができる人がいい、コミュニケーションを取れる人がいい、と思っていました。対話ができるってすごく有り難いことなので、これからもそこを大事に生活していきたいですね。

パートナーとの写真

これからもお二人の活動が楽しみです!

 

7. 看護学生へのメッセージ

最後に看護学生へのメッセージをお願いします!

せっかく入学出来たのであれば資格を取るまで頑張れたらいいかなあとは思いますが、無理せずたくさん寝て欲しいですし、他にやりたいことが出来たら一度きりの人生、突っ走ってもいいと思います。もし看護師になったからと言って看護師を続けなければいけないってことでもありません。看護師でもそれ以外でも自分のやりたいことを見つけていけたら素敵だなあと思います。あとは自分の良さを活かせる環境に移るのも大切だと思います。看護師は人生ではなく、あくまでもただの資格。僕らは他の人よりも活かせる選択肢が一つ多いだけなんです。辛い環境で思い詰めず、自分に優しくご自愛していきましょう!

 

つくしさん

・twitterhttps://twitter.com/DosankoTsukushi

・Instagram:https://www.instagram.com/dosankotsukushi/

・シオリーヌさんとのYouTube:https://www.youtube.com/watch?v=GUm02RpgSOs

つくしさん、ありがとうございました!

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