こんにちは!看護師カメラマンのyumiです。
この前、患者さんが「俺は人がやらないようなこともするから、周りから変なヤツってよく言われたよ(笑)でもやりたい事やって、少しずつでも動けば変えられる!人生楽しいよ(^^)」という話をしてくれました。
2020年も残り半年、楽しく過ごせるように少しずつ動いていきたいと思います!
さて、医路とりどり第5回は、ぐるんとびー代表の菅原健介さんにお話を伺いました。
菅原さん、ぐるんとびーさんと言えば、深夜に96歳の方がラーメンを食べる動画が話題になりました。医療・介護従事者から様々な意見が集まりましたが、動画に写る方はとても幸せそうです。それぞれの意見に正解・不正解はないと思います。でもこういう考え方もある、というのを知ると自分の視野が広がりそうですよね。
皆さんも「これは相手が求めていること(看護・医療)なのか、それとも自分がしたいだけのことなのか」一度はこんなことを考えたことがあるのではないのでしょうか。今回の記事で菅原さんがぐるんとびーを立ち上げた背景・思いを知ることにより、皆さんの選択肢の幅が広がったら良いなと思います。
と、前置きが長くなってしまいましたが、本題に移っていきましょう!
もくじ
1.プロフィール
2.デンマークへ行った理由とそこでの気づき
3.理学療法士を志した理由
4.東日本大震災を経験して
5.ぐるんとびー立ち上げ
6.看護学生・医療系学生へのメッセージ
1,プロフィール
鎌倉出身
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東海大学付属デンマーク校中学部・高等部で学ぶ
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日本へ帰国後、東海大学に進学
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インターネット広告のセプテーニに入社
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理学療法士に転職
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鶴丸温泉病院で勤務
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東日本大震災 キャンナスで働く
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ぐるんとびー立ち上げ

(写真は全て菅原さん提供)
2.デンマークへ行った理由とそこでの気づき
親元を離れたいという気持ちがあって。本当はサッカーが出来るドイツに行きたかったのですが、母の勧めでデンマークへ行きました。
デンマークはノーマライゼーションが浸透していて対話の文化がありました。
衝撃を受けたのは、現地校に遊びに行った時のことです。授業が始まらず野球が始まってみんなと仲良くなって1日が終わりました。次の日、実は遊びに行った先は予定の学校と間違えていたことが発覚したのですが、野球で仲良くなっていて先生は「みんなは健介そのままいろよと言っている、健介はどうしたいか?」と聞き「みんながいいと言っている、健介も一緒に居たいならゲストとして迎える。好きなだけ居ていいよ」と言ってくれました。それで一緒に過ごすことになりました。「みんなで対話しながら最適を決めていくという文化がデンマークにある」ということを当時感じました。
3.理学療法士を志した理由
当時つきあっていた彼女の影響があります。彼女は有名なバレエ団のバレリーナで全然僕と会ってくれませんでした。でも、カイロプラクティクには週に2回通っていて、僕が理学療法士になれば週3回会えるのでは、と考えたんです(笑)本当にアホですよね(笑)
あとは、インターネット広告の仕事も楽しかったのですが、目に見えない人の幸せを考えるより目の前の人の幸せを考えたいと思ったのもあります。
4.東日本大震災を経験して
東日本大震災がありキャンナスで活動していました。
避難所に看護師がいると救急車が呼ばれなくなりました。「ちょっと頭が痛い」「お腹が痛い」ってなった時に、看護師がいて「大丈夫」「明日の朝まで寝て様子を見ましょう」と一声かけるだけで住民の方の不安が減っている空気感を間近にいて感じました。避難所生活では一見小さなことが大きな不安に繋がりやすいので、不安を和らげるサポートが大切でした。
僕が現地のコーディネーターとして活動していて感じたのは、経験年数が数十年になるベテラン看護師はもちろん圧倒的な医療技術を持っていますが、1年目の看護師でも十分安心感を与える事ができるという事です。日本人の看護師に対する期待の大きさも伺えました。
5.ぐるんとびーの立ち上げ
ーぐるんとびーを立ち上げた背景
東日本大震災を経験し、居住に密着して24時間365日困った時に対応できる拠点が必要という事を感じました。そして、相談事によって拠点を分けず一個の拠点で様々な相談事に対応できると良いです。災害時に急に「作りましょう!」としても難しいので、平時の時からそういう拠点を地域にある事で災害時も機能するだろうと思います。そういう地域拠点を作っていく事がこれからの日本に必要なのではと考え、ぐるんとびーを立ち上げました。
こういう経緯があったので、ぐるんとびーは団地の一部屋に小規模多機能を入れ、看護師やその他のスタッフもその団地の中に住むように。みんなで暮らしを共にしながら、困った時はみんなで助け合うという形になりました。僕らは「ほどほど幸せ」を目指しています。完璧なリスク管理なんて出来ないですからね。正しさを固定せず、目の前の困っている事に対し必要に応じて変化し、必要な機能を生み出し続ける姿が教育にも繋がると思っています。
ーまちに必要な機能を生み出す
最近、思いを持った僕らが自分たちの手で葬儀屋をやり始めました。そに人に適したカスタマイズをしています。例えば、サーファーの方が亡くなった時には、真っ青な花で波の形を作ってサーフボードの上に遺影を飾り、廊下にはその方が使用した歴代のサーフボードを飾りました。ハワイアンな音楽を流しながらみんなで酒を飲み、送り出しました。昔の思い出をみんなで語り合って、豊かな心の繋がりが生まれたりもします。本来、お通夜ってそういうものですよね。葬儀屋さんは数日前からしか関わらないけれど、僕らはまちに居る時からずっと関わっているからこそできる事です。そうやってまちに必要な機能を生み出しています。今後はまちの食堂を作りたいと思っています!
ー様々な取り組みのモチベーションになっていること
なんだろう(笑)僕が生きづらいからかもしれない。誰か困っている人のために、というよりは僕と僕の家族が楽しく過ごせるところを創りたい。震災でも、僕の家族すら守れないかもしれない、似たような事が何回かあったら僕自身の命も危ないかもしれないぞ、と思って。それだったら先行して自ら創っていこうということですね。世界中の全員を守ろうとしたら難しいですね。
ただ一つ言えるのは、自分の子どもを守ろうとした時に、子どもの友達やご近所さんが不幸せだったら子どもも幸せになれない、という事ですね。だから地域のひとがほどほどに幸せに暮らせるようにしたいです。
ー「もある。」という考え方
僕らが大切にしている「もある。」という考え方があります。正しさを固定せず当たり前を疑い、諦めずに可能性を探り続けます、ということです。
5.看護学生へのメッセージ
日本中には今、面白い会社がたくさん出てきています。大きな会社、大きな病院に入ることだけが目的ではないです。病院の良い所も沢山ありますが、それ以外の看護もあるので病院の価値観に染まらないでほしい。ぜひ、学生のうちに色んなところをみたりアルバイトをしたりしてください。
環境を整えることの一つとしてシェアハウスのマッチングをさせている看護師もいるんですよー!それくらい看護の可能性って無限に広いんです。看護の可能性を感じられるような出会いを若いうちに沢山してきてくださいね。
菅原さん、ありがとうございました!
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