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#003 デジタルアートと3Dプリンタでケアをする看護師 吉岡純希さん

こんにちは!yumiです。

第3回は、NODE MEDICAL,Inc. 代表取締役社長吉岡純希さんにお話を伺いました。

医療 × アート・デザイン・エンジニアの分野に興味のある方、ぜひご注目ください!

もくじ
1.プロフィール
2.看護師を目指したきっかけ
3.今のお仕事
4.理想の医療の形
5.看護学生へのメッセージ

1.プロフィール

吉岡純希さん:株式会社NODE MEDICAL CEO/看護師/Medical Design Engineer

1989年札幌生まれ。

北海道大学医学部保健学科看護学専攻卒業

聖路加国際病院 救急救命センターHCU勤務:1年勤務

東京大学医学部医療情報学教室 研究生:電子カルテなどの勉強

東京蒲田病院で勤務CCU:1.5年勤務

2014年病院でのデジタルアートの活動を始める。

看取り、緩和ケアに関わりたいという思いからケアプロ訪問看護ステーションに入職:約2年勤務。

看護師の臨床経験をもとにテクノロジーの医療現場への応用に取り組む。
病院でのデジタルアート「Digital Hospital Art」のスタート。

2015年夏慶應義塾大学にて看護と3Dプリンタに関する研究「FabNurseプロジェクト」へ参画。

2017年春〜大学院進学。慶應義塾大学 政策・メディア研究科 エクスデザインコース

現在、株式会社NODE MEDICALを設立し、アート、デザイン、エンジニアリングと領域を越境し、医療の現場でのコラボレーションの社会実装を目指している。

 

 

2.看護師を目指したきっかけ

高校で進路選択をする時に、人の役に立つ仕事か音楽の仕事をしたいと思っていました。
病院で死ぬということ」という本を読んで感銘を受け、看護だからこそできることがあると思い、志しました。
(病院で死ぬということ : 山崎章郎さんという医師が、末期癌の患者さんの闘病や死に向き合って思ったことについて書かれています。)

 

 

3.今のお仕事

ー今のお仕事について、概要を教えてください!
NODE MEDICALという会社で、次のようなことをしています。

①医療現場のためのテクノロジーの活用
→医療現場向けのデジタルアート製作・導入 / 看護ケア用品の販売  など。
医療のニーズに即した製作を行い、臨床に届ける仕組みづくりを行います。

②医療のための人材育成(ワークショップ・講演)
→医療者向けのデジタルアート/3Dプリンティング講座 などテクノロジーを医療に応用するための導入に繋がる人材育成を行います。また、医療・看護とテクノロジーやデザインに関連する講演などもしています。

③研究・開発支援
→医療とデザイン・エンジニアリングに関して、領域を越境するための研究や開発の支援や相談をしています。

④デジタルアート/3Dプリント
→センシングを用いたデジタルアート、サイネージなどの開発や3Dプリントによるプロトタイプ製作などをしています。

吉岡さん提供

ー看護×デジタルアート・3Dプリンタ、という掛け合わせは珍しいですね!
ディズニーランドに遊びに行った時に、「外出できない小児病棟の子どもたちにも、このワクワクを感じて欲しい」「プロジェクションマッピングなどで病院にも届けられないか」と思ったことが活動のきっかけの一つになっています。

前例が十分に無いことで苦労もしましたが、目的意識をはっきりさせることを意識して活動しています。私は、看護ケアとしてデジタルアートなどを生かしています。いたずらに技術を使うのではなく、相手に合わせてどのような技術が必要かを考えることが大切だと思います。

 

ー印象に残っているケアのお話
認知症でどうしても薬を飲み忘れてしまう方がいました。
その方の生活をみていると、必ず箸を使っている事が分かり、それから薬を箸に巻くようにしました。
その方は飲み忘れがなくなり、看護師の訪問が必要なくなったという事例が印象深いですね。

吉岡さん提供

 

ーとある1日のスケジュール
07:30 :娘とともに起床。朝ごはんを食べる。
午前:タスクの整理をする。小タスクを行う。
お昼:家族とお昼ご飯を食べる
午後:プログラム開発
夕方:夜ご飯を家族と食べる
夜:夜も開発

最近は外出しないので、このようなスケジュールですね。
日付が変わるくらいには寝ますが、たまに開発の関係で朝までやっちゃうこともあります笑

 また、現在はコロナウイルスの影響もあり、自己防護具の生産に3Dプリンタを24時間稼働させています。

 

ー心の支えやリフレッシュ方法は何ですか?
心の支えは家族です!
リフレッシュといえば、1歳半の娘と散歩に行ったり、スプラトゥーンやポケモンなどのゲームをしたりしています。

 

4.理想の医療の形

教育がしっかりとしている所は良いなと思います。
また、具体的な例では、チャイルド・ケモ・ハウスという施設が素敵だと思います!
チャイルド・ケモ・ハウスは、医療的ケアが必要な子ども・若年成人と家族のための施設で、利用者さんが過ごしやすいようにと色んな工夫がされているので、ぜひ見てみてください。

 

 5.看護学生へのメッセージ

看護の領域はエビデンスがある側面もありますが、看護観という考え方の点で、評価の仕方が違うこともあります。理不尽だと感じてしまうことを言われたとしても、自分の「これは看護だ」と信念があれば良いと思います。決して無理はしすぎないでくださいね。(もちろん知識不足に関しては勉強するしかないのですが。)

また、今の環境が合っていなかった場合、一生これが続くと思うと追い込まれてしまいます。私も1年目は行くことが辛いと感じる日もありながら、病院に勤務していたこともありました。でも、別の病院、診療科もあります。看護は広い領域で経験を生かすことができます。なので、自分なりの看護を探求しながら進むと良いと思います自分なりの看護観を持って頑張りましょう!

 

吉岡さんは現在、コロナウイルス対策として、3Dプリンタを使った防護服の製作もされているそうです。

 

大変お忙しい中、お話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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