こんにちは!yumiです。
第2回は、オーストラリアでコミュニティナース として働いている本田一馬さんにお話を伺いました。
もくじ
1.プロフィール
2.看護師を目指したきっかけ
3.今のお仕事
4.オーストラリアの看護師
5.現在のコロナ事情
6.看護学生へのメッセージ
高校生から、障がいを持った弟の影響もあり、ボランティア活動を始める
↓
ボランティアの所長に、
「将来まだ何をしたいのか分からないなら、中国に中国語を勉強しに行ってみないか?」と言われて中国へ行くことになる。
↓
西北工業大学に1年留学し、中国語の勉強や旅をしながら過ごす。
1年の最後に、オーストラリアから留学で来ていた女性(今の奥さん)に出会い、中国の次はオーストラリアへ行くことに。
↓
障がい児が乗馬を体験するためのサポートをするボランティアをしていた。
当初は特別学級の先生になりたいと思ったいたが、運営している所の所長さんに、「人を助けるのが好きだったら看護師もいいんじゃない?」と言われたことをきっかけに、看護師を目指すことになる。
↓
オーストラリアのニューカッスル大学医学部看護学科を卒業
↓
現在は、コミュニティナース (急性期訪問看護師)として働きながら、シドニー大学でMaster of Primary Healthcare Nursing 勉強中。
2.看護師を目指したきっかけ
先天性の障害を持った弟がいた事がきっかけで、弟と同じような障がいを持つ子ども達を助けたいと思い、最初は特別学級の先生になりたいと思っていました。
ボランティア活動を高校生時代に始め、それから今まで色々なボランティア活動をしてきました。高校生の時は、日本に住んでいる外国人の2世や3世の子どもたちに毎週末、日本語を教えていました。当時付き合っていた彼女に「ボランティアと私、どっちが大事なの?」と言われるくらい、ボランティアに没頭していたのを覚えています(笑)
その後、私のボランティア活動は国を超え、オーストラリアで障がい児が乗馬を体験する際のサポートするボランティアを始め、運営団体のの所長さんに「人を助けるのが好きだったら看護師も良いんじゃない?」と言われたことをきっかけに、看護師を目指すようになりました。
3.今のお仕事
急性期の訪問看護師をしています。
私のメインのお仕事は抗生物質を患者さんの自宅で投与する事です。
容体が安定していて早期退院が可能な急性期の患者さんで、継続した抗生物質の投与が必要な場合には、急性期訪問看護チームに継続ケアの紹介が依頼されて自宅で抗生物質の投与を引き続き受けることができるシステムがオーストラリアには整っています。
ー訪問看護師を選んだ理由はなんですか?
大学時代の最後の実習が急性期の訪問看護チームだったんです。
その時に高齢の方の家に訪問し看護ケアを提供する体験が素晴らしく、また戻りたいと思っていたのがきっかけですね。
看護師になった当初は、救急外来・集中治療部などを経験する機会に恵まれました。しかしながら、患者さんの病気だけに集中するのではなく、患者さんとその人を取り巻く人や環境(心理的にそして社会的に)にも目を向けて看護ができる状況に惹かれるようになりました。患者さんをholisticに看護できるところがとても好きですね。
また、急性期の訪問看護は変化が多いのも特徴です。患者さんの容体が訪問時に急に悪化することは多々あり、そのような状況の中で的確なアセスメントの上にどのような対処をすることがベストなのかということを考えます。いつもそのような事態が起こると緊迫しますが、とてもやりがいがあると思っています。
ーとある1日のスケジュール
06:00 出勤
07:00 申し送り開始
07:30 訪問開始
訪問では、
・抗生物質投与(1日に複数回の投与が必要な患者さんは、投与の間隔を空けないといけないので朝一に行きます)
・バイタルサインの測定や患者さんが受けているサービスの確認や紹介
・連絡ノートを書く
などをしています。
1人あたり45~60分の訪問で、1日に4人くらい回ります。
13:30 訪問終了→事務所に帰る
14:30 申し送り
15:30 勤務終了
帰宅後は、大学院の勉強をしつつ、家族との時間を大切にしています。
出来るだけ娘に時間を取れるように心がけています。
ー心の支えにしていることやリフレッシュ方法はありますか?
心の支えは家族です!
帰宅した時に待ってくれている人がいるというのは大きいですね。
そして、訪問看護をするようになってより家族の大切さに気付かされました。
リフレッシュといえば、食べること(太りますが、、、)やガーデニングも好きです。
ー看護師でよかったなと思うのはどんな時ですか?
「またあなたにみてもらいたい」って言ってもらった時はその患者さんに合った看護を提供出来ていたのかな〜と嬉しく思います。
職場の仲間づてに褒め言葉を聞いた時や、笑顔で「ありがとう」と言ってもらえた時も嬉しいです。
ー印象深かった患者さんの話。
障がいを持つ女の子とそのご家族に出会った時はビビッと来ました。自分の家族と境遇が似ていたからですね。
経験したことのない人が相手の気持ちを想像することもできるけど、自分が経験してきたからこそより一層相手の気持ちを理解できると思います。
将来的にどのように自分が障がいを持つ人々の助けになれるかは未定ですが、自分が経験してきたことも生かして、助けが必要な障がいを持つ方々とその周りの家族も助ける立場になれたらと強く思います。

本田さん提供
4.オーストラリアの看護師
ーオーストラリアで看護師になる方法を教えてください!
大学卒業が必須です。英語の習熟度を測るテストを受け、書類を提出し、審査に臨みます。
今年より国家試験のようなシステムが取り入れられるという情報もあります。看護師免許の登録方法などは変更されることが多いため常に自分でチェックして最新の情報を元に書類を準備することが大切ですね。
資格は毎年の更新が必要です。免許更新では、1年あたり20時間の自己学習が絶対条件になっています。(院内の勉強会に出席していれば基準を達成できます)
ー海外で働くことについて思うこと。日本との相違点などはありますか?
海外で働くことは、他県で働くことと似ているような気がします!
日本も海外も、違う言語ツールを使っているだけで、基本は一緒だと思いますね。
日本人は、高いスキルを持っているし、グループの輪の中で協調するのがとても上手なので海外でもうまくやっている人も多いと思いますよ。もちろん、相手を尊重した上で自己主張をできるようになればより良いですね。
そして、何と言っても日本人はものづくりの文化が長けていて、細かいことが得意な人も多いですよね。丁寧な仕事ぶりなので、オーストラリアでの日本人看護師の評価は高いですよ!
ワークライフバランスはオーストラリアが長けていると思います。システムで守られていて、有給が使いやすい文化などの特徴があります。大切な家族との時間をしっかり取れるのはとても良いことだと思います。
海外は食べ物、景色の違いはありますが、一度見てみる価値はあると思いますね。
ぜひオーストラリアにも来てみてください!
5.現在のコロナ事情
ーオーストラリアでのコロナ事情はいかがですか?
オーストラリアの対応は州や病院ごとに違いますが、基本的なルールは一緒だと思います。
僕の病院は大きな事態に備えてしっかりと準備をしています。
必要時以外は家から出ないこと、外出時はsocial distanceを保ちましょう、手洗いをしましょう、といったことが徹底されています。
医療従事者に関しては、退職者の方々にも復帰を促しているようですね。
6.看護学生へのメッセージ
大きな夢を抱いて欲しい!そしてその夢を実現するために頑張ってほしい。
いろいろ挑戦してほしい!
世界を見て欲しい!
海外にもぜひ来てくださいね。違いを知っていることは大きな財産になります。
日本を外からみることで日本の良さがわかります!
好きだと思える看護を、色々な経験をして見つけてください!
そして、看護師として誇りを持ってください。
看護師は専門職であり、人の命を預かる素晴らしい仕事です。
患者さんだけではなく周りの人も笑顔にすることが出来る大切な仕事です。
最後に皆さんへ。
”Believe in the best, think your best, study your best, have a goal for your best, never be satisfied with less than your best, try your best and in the long run things will turn out for the best”
本田さん、ありがとうございました!
コメントを残す