こんにちは!yumiです。
もくじ
1.プロフィール
2.看護師を目指したきっかけ
3.学生生活のエピソード
4.今のお仕事
5.看護師国家試験のこと
6.就職先や診療科の選び方
7.男性看護師ならではの思い
8.看護学生へのメッセージ
前田和哉さん
京都大学卒業
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総合病院聖霊浜松病院で5年間救急科ICU勤務
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訪問看護ケアプロ訪問看護ステーションで4年間勤務
(最初の1年は現場、2年目は所長、3・4年目は部長)
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・2016年〜日本看護連盟青年部担当幹事
・2016年〜専門学校の非常勤講師。看護政策に関することを教えている
・2018年〜前職を退職し、6月に株式会社ハレの立ち上げ、CEO就任

(前田さん提供)
2.看護師を目指したきっかけ
前田さん:「私が18才の時、父が海外の交通事故で亡くなりました。その時の経験からよりよい医療を提供することが大切だと感じました。また、子どもの頃から健康系のうんちくに興味を示していたことや、人と話すことが好きだったことも看護師を目指すきっかけに繋がっていると思います。」
3.学生生活のエピソード
ーどんな学生でしたか?
前田さん:「当時は音楽をしていたので、金髪で実習に行ったことがあります。特に止められはしませんでしたが、目をつけられていましたね(笑)」

(前田さん提供)

(前田さん提供)
ー実習で印象深かったことは何ですか?
前田さん:「糖尿病患者さんの食事指導を頑張ったことも印象深いです。コメディタッチで作ったら、先生の検閲に引っかかって、表紙・裏表紙以外はカットされてしまいました(笑)」
「あと、患者さんに『看護師になるんですか?』と聞かれて即答できなかったことが反省点です。微妙な空気になってしまいました。相手の期待に合わせることも大事だと気づきました。」
「学生時代は看護師が怖すぎて、看護の世界に疑念がありました。実習から看護の楽しさがわからない。あまりに怒られるから向いてないとも思いました。看護記録がまともに書けない。感情が大切な仕事なのに、看護記録は記号みたいだったので苦手でしたね。関連図も。でも、このまま終わるのも悔しいと思いました。公務員試験の勉強もしましたが、やっぱり医療の世界はなんだかんだ好きだったのかもしれないです。根本的に看護が好きだったんだと思います。ゼミの先生繋がりで病院の人が来てくれて紹介してくれたのがきっかけで、最初の就職先を決めました。」
4.今のお仕事
ーお仕事の内容を教えてください!
前田さん:「保険外の訪問看護で、患者様の外出をサポートします。病院からの外泊、冠婚葬祭、旅行などのイベント、退院直後の方の自宅・施設での看護や看取りまで幅広く行っています。送迎だけでなく、現場での体調管理、食事補助なども含みます。」
ーどのようなところで看護の知識・経験が役立っていますか?
前田さん:「今の仕事も看護そのものですね。末期の方のお付添をする時は、ICUの知識が生きてきます。外出先での看護は病院と全く環境が違うので、訪問看護の知識経験が生きていると感じます。」
ーとある1日のスケジュール
10:00〜 起床、コーヒーを淹れる
13:00〜 患者さんと打ち合わせ
16:00〜 他の業者さんMTG、
19:00〜 会食
24:00〜 帰宅、仕事の整理
27:00〜 就寝
ーとてもお忙しいですね!忙しい生活の中で、心の支えにしていることやリフレッシュ方法はありますか?
前田さん:「カラオケが好きで、週1,2回ヒトカラをしています。ヒトカラが流行る10年以上前から行っています!(冬は感染症対策のため自粛しますが)」
「あとは、疲れたら思い切って1日休む。休んだ時に、『あー休んじゃった』とネガティブに思わないことがポイントです。」
ーどんな時、看護師で良かったなぁと思いますか?
前田さん:「感謝していただけるときや、患者さんの笑顔が見られた時ですね。」
「あと、友人知人のお役立ちができた時。医療・介護の知識が一般の生活にも役立っています。おせっかいが好きなんです。例えば、『〜な状況で1番いいベッドを教えてください!』って言われた時とかがそうですね。ケアマネっぽいことをしているのが好きなのかも。」
ー印象深かった患者さんと言えば。
前田さん:「自分の孫に『おばあちゃん、死ぬまでにやりたいことは?』と聞かれ、それを全部やりきった日の午後に亡くなった方です。」
「ビール好きのおじいちゃんで、ビールしか喉通らない方がいました。ビールを飲めるようとビールにとろみを入れてみたら、化学反応が起きて発砲してしまったこともありました(笑)」
「舌根沈下している患者さんの事例も印象深いです。本来なら枕を外した方が安全なのですが、患者さんの娘さんが枕を外したがりませんでした。そこで私は、枕の代わりにタオルをおきました。そのことで娘さんの思いを汲み取りながら、患者さんの安全を守ることができました。様々な視点を持ちながら適切なケアができたと思いました」
「お母さまの介護をしている娘さんが介護疲労でパンクしそうなことがありました。もう看取れないかも、というところまできていました。看護師として、介護資源の導入を提案したり、看護の関わりなどで娘さんの介護負担を減らした結果、看取りまでサポートできたのは看護師冥利に尽きました。」

(前田さん提供)
5.看護師国家試験のこと
ーどんな勉強スケジュールで取り組みましたか?
前田さん:「受験勉強は卒業研究が終わった1月からスタートしました。何とか間に合いましたが、その代わり、1日15時間くらい勉強していたのできつかったです(笑)。半年前くらいから勉強すると良いかもしれません。卒業研究もあるだろうけど、国試によく出る単語からでも頭に入れておくとスムーズです。」
6.就職先や診療科の選び方
前田さん:「急性期が花形だと思わないこと。例えば、おっとりな性格の人が急性期に行くと苦労します。また、最初に入った診療科が合わなくても、他の診療科で適応する可能性は十分にあります。看護自体に挫折しているわけではないよ、ということを強く伝えたいですね。自分の場合も、ICUと訪問看護にいた時とでは評価が違いました。訪問看護をしている時は生き生きしている感じがしました。」
「自分の看護に関する考え方・大事にしているものと病院のスタイル・治療方針がマッチしているところを選びましょう。インターンなどで、その病院にいる先輩看護師さんに相談してみると良いと思います。」
7.男性看護師ならではの思い
前田さん:「世間ではまだまだ看護師=女性の思い込みがあるので、男性看護師は患者さんから拒否されることがありますし、職場でのヒエラルキーも低いです。でも、一般的には男性社会と言われるこの世の中でマイノリティを経験できる現場は少ないので、マイノリティとして自分の環境に適応していくことは勉強になるし、人生の他のところで役立ちます。人への優しさを忘れないでいられます。色々あるとは思うけれど、その分男性看護師同士の結束も強いので楽しいですよ!」
8.看護学生へのメッセージ
ー最後に、看護学生へのメッセージをお願いします!
前田さん:「看護は良い仕事だと思います。学生の間は適性が見えにくいし、実習からは楽しさが出て来にくいから不安なことが多いだろうけど、現場での経験を通して自分にあう診療科や働き方を見つけて行って欲しいなと思います。躓くことはきっとたくさんありますが、看護にがっかりせずに頑張りましょう!」
前田さん、ありがとうございました!
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